基礎力UP!立体感を表現する際に必要な2種類の光を覚えよう
2015.01.02
イラストを描き慣れはじめ、一定のレベルから伸び悩んでいる方。「これ以上、上手く見せるにはどうすればいいか」と悩んだことはありませんか? そんな方に一歩踏み出せるようなポイントを解説します。
今回は、初心者に多い「通常のアニメ塗り状態から一歩レベルアップするにはどうしたら良いか」をテーマにアニメ塗りのバストアップのキャラクターをよく魅せる方法を解説します。
今回は、左のようなベタ塗りから右のようなグラデーションを使った塗りへ簡単に仕上げていく方法を紹介します。
左のようにあっさりとした、グラデーションやぼかしを使わない塗りは一般的に「アニメ塗り」と言われる塗り方です。
目標とする右の塗り方は、左のベタ塗りに手を加えたものです。「難しそうだな」と思われる方がいると思いますが、実は数ステップを踏むことで、右の塗り方のように立体感を増したり、雰囲気を柔らかくしたりできます。
ベタ塗りから一歩踏み出す方法は「影を単調にしない」ことです。
どういうことか解説しますと、
左のシンプルな塗りに比べて、右の塗りは明るい部分が影のところに出来ていて、反射光の表現がされています。
また、左に比べて右の塗りは一定ではなく場所によってグラデーションがありますね。これが簡単に出来る「影を単調にしない」ということです。この塗りを使うことで、硬い雰囲気から柔らかい雰囲気にできます。
はじめに赤い破線で囲った部分をエアブラシツールなどの柔らかいブラシで消して薄くします。
頭の形は球体ですので、このようなイメージに置き換えて考えるとわかりやすいです。
球体の下側を薄くするように、ただ消しすぎると影がなくなるので、右のイラストくらいに抑えながら調整します。
そして、赤い破線で囲った部分にエアブラシツールで頭全体に影をつけます。
これだけの手順でアニメ塗りから、だいぶ柔らかく綺麗な塗りになりました。
肌も髪の毛と同じ手順で、ベタ塗りした部分をエアブラシツールなどの柔らかいブラシで消して、濃淡を作ります。
こちらは顔の明るい部分の影が薄くなるように、破線の部分をエアブラシツールにて軽く消します。そのあと、髪の毛と肌の隙間に出来る影、首に出来る影をエアブラシツールの柔らかいタッチでおいていきます。それだけで髪の毛と同じようにベタ塗り感がなくなります。
また、頬はCLIP STUDIO PAINTにプリセットで設定されているエアブラシの「柔らか」を使うとふんわり頬の色が乗ります。
女の子の頬や肩や肘など、軽く赤い色を乗せたい場合は、このブラシを使うと簡単にちょうど良く塗ることができるのでオススメです。
他にも柔らかいハイライトや影などをつけるときにも便利ですので、覚えておきましょう。
乗算を使用して、瞳の上部分にエアブラシツールを使って影を乗せます。
好みにもよりますが、目の下部分に明るいハイライトを入れてあげるとよりキラキラした瞳になります。
いかがでしたか?
ベタ塗りから少ない手順を踏むだけで、雰囲気を変えることは簡単にできます。
さらにもう一歩先へ進みたい方は、「ちょい足し」で少しずつ影やハイライトなどを追加してみましょう。
例えば、髪の毛の部分をブラシでなぞって影とハイライトをつけると、より立体感が出ます。
その他にも線画の色を変える、影の色相をずらす、など色々なことで雰囲気を変えることが出来ます。
ただ、一気に色々なものを変えようとすると破綻してしまうことが多いので、まずは楽しみつつ、ひとつずつ試してみてくださいね。
[著・画:乃樹坂くしお]
Twitter https://twitter.com/ku_shi
2009年から絵を描き始め、2013年からフリーランスとなった駆け出しイラストレーター。大人になってからイラストを1から始めるなんて遅くない、と証明するために日々積み重ねています。