方向性を決めて描き始めよう!ラフの描き方
2025.04.01
前回はイラストレーター・ももいろねさんによるラフの描き方をご紹介しました。
▽ラフの描き方の記事
今回はラフの手を描く工程に焦点を当て、手の写真を使った描き方のコツと実際にイラストに活用する方法をご紹介します。
▼目次
見本を見て描く
もう少し難しい手を描く
写真をトレスする方法
実践:イラストに写真を活用する
手を描くコツは、見本を見て描くことです。下記の画像はももいろねが特に何も見ずに描いたグー・
このように、見本を見ずにグー・チョキ・パーの手を描くと曖昧な部分もあり、正確さが不十分になりがちです。このままだと線画の段階で描き直しや塗りの段階で違和感が生じてしまいます。
今度は手の写真を見ながらグー・チョキ・パーを描きます。写真ではなく、鏡に写した手や目で見たまま、デッサン用の手の模型などでも構いません。
見本ありと見本なしを比べると、見本ありでは曖昧さがなくなり、指の向きや手の構造を捉えられていますよね。
次はもう少し難しいペンを持つ手、こちら側を指差す手を描きます。見本ありと見本なしを比べると、見本ありでは正確さが高く、迷い線も少なく描くことができています。
写真をトレスする方法をご紹介します。ここで使う写真はご自身の手の写真を用意するなど、
写真レイヤーの不透明度を下げ、その上にレイヤーを作って手をなぞります。手のしわを描き込みすぎるとリアルになってしまうため、イラスト向きの線を引くように心がけてみましょう。
同じ写真から男女の手を描き分けるトレスのポイントも説明します。
まず女性の手を描いてみます。女性の手の写真でも写真をそのままなぞると意外と太くなってしまうため、写真の手よりも内側のラインを引くのがポイントです。
次に男性の手を描きます。女性の手と比べて角ばった線を意識して描くのがポイントです。
男女の手を並べると違いを表現できていると思います。
また、写真を活用する際は、手の仕草によって男女の描き分けやキャラクターらしさを表現することもできます。
手を握ったグーでも「力の入った左の手」と「柔らかく握った右の手」のように違いを出すことで手の表情による印象を変えられます。
こちらのラフイラストで手の写真を活用します。あらかじめポーズに合わせた手の写真を何枚か撮っておき、角度や雰囲気に合う手の写真を選びます。
写真の角度やサイズを合わせてからなぞり、手首から肘、肩までを繋げて腕を描きます。
シャープペンシルなどの直線のシルエットでできたものを描く場合は、太めに直線を引いてから細かなディティールを描き加えています。
今回は手の写真を使った描き方のコツとイラストに活用する方法をご紹介しました。
配信サイトやイベント会場、アナログイラストなど手の写真がトレスで使えないときのために、よく描く手は見本を見ながら構造を理解して見なくても描けるようになっておくと役に立ちます。是非手を描く練習方法として取り入れてみてください。
最後までご覧いただき、ありがとうございました!
こちらの動画では実際に写真を活用して手を描く工程を見ることができます。より理解を深めたい方は、是非ご覧ください。
イラストレーター兼デザイナーとしてイラスト講座やメイキング動画、キャラクターデザインなど幅広く手がけ活動しています。
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