画面がごちゃごちゃした時に！作品をすっきり見せるテクニック５選

2019.01.25

画面にモチーフをたくさん配置しすぎて、ごちゃごちゃした見づらい絵になってしまう…。パッと見何が描いてあるのかよくわからない…。

今回はそんな時でも見やすくわかりやすい、すっきりしたイラストにするテクニックをいくつかご紹介します。

▼目次
1.　前後関係を決める
 2.　縁取る
　 ①黒系で縁取り
　 ②白系で縁取り
　 ③周囲をぼかす
　 ④ハイライトで区切る
　 ⑤明暗で境界線を作る
 3.　同系色で統一する
 4.　省略する
 5.　複雑にする

1.　前後関係を決める

モチーフがたくさんある場合は、まず前後関係をはっきりさせることで画面の構造を把握しましょう。このようにパッと見はごちゃごちゃしている絵も…

前景・中景・後景に分けて考えてみましょう。

このレイヤー階層に沿うように、以下の方法を導入していきます。

2.　縁取る

レイヤー階層をはっきりさせるために最も単純な方法が、境界線を作る方法です。モチーフごとに縁取りをして、別個のモチーフであることを強調します。

「線画」も縁取りと同じで、写真などではわかりにくい輪郭を線でなぞって境界線をわかりやすくしているのです。

以下に縁取り方法のいくつかをご紹介します。どれも利点・欠点があるので、絵柄に合ったものを選んでください。左の画像が方法を取り入れる前、右が取り入れた後です。

①黒系で縁取り

境界線が明確なのでクッキリしたポップな印象を作れますが、リアリティは落ちます。

②白系で縁取り

黒系より目立たず自然な印象を作れますが、ライティング無視なのでイラスト感が強く出ます。

③周囲をぼかす

周囲をぼかしたり、白抜きすることで境界線を強調します。周囲のモチーフを大きく削ることになるので、周囲に重要なモチーフがある場合は使えません。

④ハイライトで区切る

モチーフ自体にハイライトを入れ、境界線を作ります。厚塗り感が出るので、絵柄によってはマッチしません。また、不自然なライティングに見えることもあるので注意が必要です。

⑤明暗で境界線を作る

境界に線を引くのではなく、明暗の差で境界を作る方法です。前景に明るいモチーフがあるなら周囲の中景に濃いモチーフを置く…逆もしかりです。これはキャラ毎だけではなく、部位ごとに取り入れてみましょう。

通常は空気遠近法に従って、前景・中景・後景において遠いものほど薄い色を使うといいのですが、あえて後ろにある物を濃くすることで境目をくっきりさせるのも効果的です。

3.　同系色で統一する

次に同系色で統一する方法です。同系色のものはひとまとまりに見える特徴があるので、目立たせたくないレイヤー階層にまとめてオーバーレイやハードライト等で色をつけてみましょう。

上乗せする色は、空の色・光源の色などにすると自然な印象になります。

前景・中景・後景において、より遠くのモチーフ、または焦点が合っていないモチーフは曖昧に見えます。その曖昧さを絵でも表現するために、描き込みを省略しましょう。

画像の後ろにいるキャラが少しのっぺりした印象になっていると思います。省略する時に大事なのは、どこを残してどこを削除するかです。そのポイントを探るには、明るさ・コントラストの数値をいじるとわかりやすいです。

まず、グレーに変換し、次に明るさ・コントラストの数値を上げると、「重要な輪郭線」と「濃い影」が残ります。

数値や元画像の解像度にもよりますが、基本的にはこの残った情報が「そのモチーフがなんであるか」が最低限わかる絵です。どんなに省略しても、その部分だけは残るようにしてみましょう。

また、漫画で背景を描く時、キャラが埋もれさせないために省略しなくてはなりません。その時にどこを省略するかを調べるためにも使える方法です。色々な写真で試してみると勉強になるのでオススメです。

5.　複雑にする

最後は複雑にする方法です。上記で遠いモチーフは省略すると良いと書きましたが、遠いモチーフのシルエットは単純化しても、色量は縮小され凝縮している分ゴチャゴチャ感が増します。

試しに何かのイラストや写真を縮小してみると、色が混ざったように濁って見えると思います。それを再現するために、遠いモチーフにグラデーションマップや別画像をオーバーレイ等で色を乗せて、少し濁らせてみましょう。