あなたのイラストが魅力的に! 作品作りに役立つ構図と配色の考え方

あなたのイラストが魅力的に! 作品作りに役立つ構図と配色の考え方

お絵かき初心者から中級者ぐらいだと、構図作りや配色の決め方は手探り作業で試行錯誤の連続ではないでしょうか。

 

今回はイラストレーターとして活躍している、くるみつさんに構図と配色の考え方について教えてもらいました。イラスト制作にお悩みの方は、ご参考いただき、より魅力的な作品作りに役立ててみましょう。

 

▼目次

カラーコンセプトの決め方

配色のコツと注意点

 配色バランスは「70:25:5」

 配色を決めやすくする色相環を使ってみよう

 ハレーションに気をつけよう

 黒や白(無彩色)を効果的に使う

構図は魅せたいものを事前に考えて決めよう

イラストが魅力的になる構図・配色の例

 情報量が多い、見ごたえのあるイラスト

 O字の構図を利用した、まとまりのあるイラスト

 補色を使った、バランス感のあるイラスト

 類似色を使った、まとまりのあるイラスト

 

カラーコンセプトの決め方

色合いの中には、彩度が高く原色に近い「ビビットカラー」や淡い色彩を持った「パステルカラー」、他にもポップカラー、マコロンカラーなど様々あります。

 

こういった色合いを知り、自分の得意な色使いを知ることが、配色を決める上で大切です。結果、配色に悩むことが少なくなります。

配色のコツと注意点

それでは配色していく上でのコツと注意点について紹介していきます。

配色バランスは「70:25:5」

配色バランスとして、

  • メインカラー:70%
  • サブカラー:25%
  • アクセントカラー:5%

の割合で色を決めると、色合いがまとまります。色数が多すぎるとバランスを取るのが難しくなるので気をつけましょう。

配色を決めやすくする色相環を使ってみよう

さらに、配色は色相環を利用すると決めやすいです。

色相環

△色相環(矢印は補色の関係)

 

色相環の隣り合う色を類似色、向かい合う色を補色といいます。類似色を選ぶと全体的にまとまりのある絵になり、補色を選ぶと目立たせたりやコントラストの強い絵になります。

ハレーションに気をつけよう

配色は組み合わせ次第で良くも悪くもなるので、色同士が喧嘩しないように注意して、色選びをすると良いです。

ハレーション

 

例えば、色同士の喧嘩にハレーションというのがあります。

 

ハレーションとは色の境目が白く光って見える効果で、あえて効果を狙う以外はハレーションがおこらないように配色しましょう。

黒や白(無彩色)を効果的に使う

黒や白は多くの色と馴染みやすいです。特に黒は全体をうまく引き締める効果があるのでよく使っています。

構図は魅せたいものを事前に考えて決めよう

次に構図の考え方についてご紹介します。

構図を決めるに前に考えておきたいこと

構図を決める前に、

  • 余白を残してシルエットの気持ちよさを取るのか
  • 画面全体にキャラクターやアイテムを配置して賑やかさを出すのか
  • 俯瞰やアオリでキャラクターを魅せたい

などを考えておくと、方向性が定まり描きやすくなります。

 

また、自分の描きたいもの、魅せたいモノに沿って画面の構図取りを先に考えるのも良いでしょう。構図を作る軸となります。

アルファベット構図で見やすく、インパクトを

画面を構成する際は、アルファベット構図を意識して作っています。

 

キャラクターやアイテムをアルファベットの文字になぞらえて配置することで絵に流れができ、見やすい構図になったり、画面にインパクトが生まれます。

イラストが魅力的になる構図・配色の例

配色と構図の内容を踏まえて、今まで描いてきた作品を元に解説していきます。

情報量が多い、見ごたえのあるイラスト

くるみつ

画面全体にアイテム、中央にキャラクターを配置して賑やかさを出した構図です。情報量を多めにして、見ごたえのあるイラストにしています。

 

配色は暖色の類似色を中心とし、橙色をメインカラー、赤系をサブカラー、補色である青系をアクセントカラーにしました。

O字の構図を利用した、まとまりのあるイラスト

くるみつ

キャラクターを一番に魅せたいので、O字に沿ってアイテムを配置し、まとまりのある構図作りにしています。「海」がテーマなのでキャラクターには水着、アイテムは魚や珊瑚となります。

 

配色は、海を連想させる青をメインに、黃(緑)系をサブカラー、青の補色である橙色系をアクセントカラーに置きました。

補色を使った、バランス感のあるイラスト

くるみつ

I字を意識した構図作りにしています。アイテムを使わない、シルエットを重視したシンプルなレイアウトにしたら画面中央が少し寂しげに……だったので、文字などを入れてバランスをとりました。

 

配色は赤系と青系を使い、補色を活かしたイラストにしています。

類似色を使った、まとまりのあるイラスト

くるみつ

S字を意識した構図です。足に動きを出し、ギターを持たせてS字っぽく仕上げています。背景のアイコンもキャラクターに沿って配置しました。さらに今回は影色にドットをつけて遊び心も付け加えてみました。

 

配色は類似色で固めて、まとまりのあるイラストに仕上げています。

まとめ

最後に配色と構図のまとめです。

 

▼配色

  • 得意な色使いを知ろう
  • 配色のバランスは「70:25:5」
  • 色相環を使って類似色や補色を使いこなそう
  • ハレーションには気をつけよう
  • 黒や白を効果的に使おう

▼構図

  • 構図を決める前に見せ方の方向性を決めよう
  • アルファベット構図を用いて、見やすく、インパクトのあるレイアウトを作る

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著・画 くるみつ

くるみつ

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イラストレーター、デザイナー。

2016年より本格的にイラストレーターとしての活動を開始しました。

ポップでとにかく明るいイラストを中心に、CDジャケットのアートワーク、キャラクターデザイン、イベントのメインビジュアル等、幅広い範囲でお仕事をいただいております。