平面的なイラストを卒業!「奥行きの出る影の入れ方」とは?
2016.12.14
キャラクターやイラストに色を塗る工程も絵を描く醍醐味の一つです。
ただ、千差万別ともいえる多様な塗り方の手法や、その種類によって変わる難易度など、やはり習得するまでにかなりの苦労を強いられる工程でもあります。
今回は、基礎となる4つの塗りの種類とポイントの解説をしていきます。きちんと使いこなして自分の好みの塗りを目指しましょう。
▼目次
塗り方の種類は、「色を置く」「削る」「ぼかす」「塗り足す」この4つのみです。アニメ塗りや厚塗り、その他の塗り、キャラクターの肌や髪、服、金属、木、空、全てはすべてこれらの方法を組み合わせて完成します。
文字通り、ラフや線画に塗りたい色をそのまま置くように塗る方法です。下地や影を塗る準備の工程として太いペンを使ってざっと塗りましょう。
これだけで完成させようとすると雑に見えてしまうので注意しましょう。
置いた色を整える方法として使われます。消しゴムツールなどを使って、はみ出した部分やシルエットを整えます。
ペンでそのまま塗るよりも簡単で正確、しかも綺麗に仕上がります。アニメ塗りがこの方法を使って描かれています。
水彩ペンや、ぼかしペンを使って境目をぼかして整える方法です。削る方法より色と色の境目が滑らかになります。
肌や柔らかい質感のものを塗る時に重宝され、ほとんどのリアルな質感の塗りはこのぼかしの技術を使ったぼかし塗りです。
別の色を上から塗り足すことによって整える方法です。厚塗りが基本的にこの塗り方を使います。
より多くの色を使うことによってぼかし塗りのような滑らかなタッチを表現できます。
様々な絵柄があるので他にも特殊な塗り方が存在するように思いますが、すべての塗りは以上の4種類の塗りの組み合わせと、ペンの設定による塗り味の変化やテクスチャによる加工で表現が可能です。
影の塗りに関しては以前私が執筆した影の塗り方講座の記事を併せて読むとより分かりやすいと思いますので、興味があれば是非ご一読ください。
色塗り初心者の人がよくやってしまうミスに「影の色が薄すぎる」というものがあります。あまりに影の色が薄いと、全体的にぼやけた印象になり、最悪影を塗っていないのと同じ結果になってしまいます。
ちょっとやりすぎかなと思うくらいの濃さで丁度良い場合が多いので、濃いめの色を選びましょう。
もう一つやってしまいがちなミスが、「塗りに頼る」という状況です。描き込みを多く必要としたり、立体感の把握が難しいパーツを描く際、「ここは色を塗って立体感を出すから、あまり描き込まなくていいや」と、線画やラフの描き込みもそこそこに塗りに移ってしまう状況です。
線画やラフは、イラストで言う設計図です。描き込まれていればいるほど正確な塗りができ、完成したイラストの質が上がります。面倒くさがらず、細かい部分まで描き込みましょう。
以上の点をまとめると、
以上のことに気をつけて描いてみてください。
なお、人物やキャラクターの描き方については私の著書『デジタルイラストの「身体」描き方事典身体 -パーツの一つひとつをきちんとデッサンするための秘訣39-』の方を参考にしていただければと思います。
より詳しい色の塗り方、肌の塗り方まで解説しています!重版も何度か重ね、大好評を頂いています!!
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目下”SCPの人”と化しているフリーランスのイラストレーター。
様々な絵柄を駆使し、カードゲーム「マジンボーン・データカードダス」「ディスク・ウォーズ:アベンジャーズ」のイラストや、4コマ漫画「BIOHAZARD THE TOON」の執筆、小説の挿絵などを手がける。また、絵の描き方本『デジタルイラストの「身体」描き方事典身体パーツの一つひとつをきちんとデッサンするための秘訣39』を執筆し、活動の幅を広げている。