今回は初心者が陥りがちな描き方を原因から突き止めて、解決を目指す講座。教えてくれるのはイラストレーターとして活躍しているyaki*mayuさんです。
胸の描き方をテーマに、ありがちな失敗例、それを上手に描くテクニックをご紹介します。
▼目次
なぜ胸が描けないのか
女性キャラクターをデザインする際、「胸」は見せどころの定番ポイントです。特にセクシーなキャラクターは、胸が上手く描けないとイラストの印象が悪くなります。
例えば、こんな感じのイラストです。
一体何がいけないのでしょう?
今回はそんな「なぜか上手く描けない!」の「なぜか」をハッキリさせて、解決する方法を紹介します。
胸が上手く描けない理由1:「球体を意識できていない」
この「なぜか上手く描けない!」イラストは、なぜ上手く見えない印象なのでしょう。
まずこちらのイラストは、「胸を線の形で描いている」ことが原因と考えられます。
2つの「U」と、谷間の「Y」の線だけて胸を表現しているため、立体感が感じられません。
胸は胴体についた球体のようなもので、水風船のような形のイメージで考えると良いです。線の形だけで描いてしまうと、立体感がないため、下手な印象に繋がります。
胸が上手く描けない理由2:「膨らみしか描けていない」
もう一つの「なぜか上手く描けない!」イラストを見てみましょう。
こちらのイラストは、服を着ているのに、胸の膨らみの表現が裸体と差がありません。また、谷間が感じられず、左胸の形が上手く表現できていません。
これは胸の膨らみをアウトラインだけで描いていることが原因と考えられます。
実際、服を描く場合、胸の形状に沿ってシワが発生します。
ぴったりした服なら、谷間や胸の形状が服の上からも分かります。また、ゆったりした服の場合は、重力に沿った服の形状とシワが発生します。
つまり、シワの表現がないため、服の形が不自然になり、下手な印象に繋がるのです。
解決!胸が描けるテクニック
「球体を意識できていない」のと、「膨らみしか描けていない」場合に、下手な印象になることがわかりました。
では、どうしたら解決できるでしょう?
簡単なのは「球体だけを描く工程を作る」方法です
まず胴体だけを描きます。
次に「胸の付け根」と「センターライン」を意識します。
「胸の付け根」は、脇の少し上の高さで、鎖骨の下辺りになります。
次に「胸の球体」を描きます。
先程意識した「胸の付け根」から、水風船のようなものをぶら下げるイメージです。
このとき、球体のサイズを大きく描けば巨乳、小さく描けば貧乳にできます。
次に服を描きます。
胸の形状に沿って服を描きましょう。胸の形に沿って、服の形やシワを描いていきます。
水着の場合は、胸の形に合わせて描くだけです。
これで完成です。
最後に
以上で、今回の記事はおしまいです!
初心者さんは、胸を「2つのU字の線」「谷間はY字の線」のように、線で捉えている方が多いと感じます。また、服を着せると、胸辺りが全身タイツのようなピッタリとした形になっている方をよく見かけます。
そういったイラストにならないためには、胸を「水風船のような球体」へと意識を変えることが大切だと思います。
ですので、上手く描けないうちは「水風船のような球体だけを描く工程」を間に入れることで、簡単に上手く描けるようになると思います。またこの過程で描くと、ベースが球体なので、塗るときに胸の丸みを表現しやすくなるのでオススメです。
まとめ
「なぜか上手く描けない!」の「なぜか」は
- 球体を意識できていない
- 膨らみしか描けていない
「解決方法」は
- 球体だけを描く工程を作る
これからも頑張って、いちあっぷしていきましょう!それでは、ありがとうございました。
著・画 yaki*mayu
web: http://yakimayu.com
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フリーランスのイラストレーター。萌系イラスト中心で主にソーシャルゲームなどのキャラクターデザイン、スチル、カードイラストなどのお仕事をいただいております。晋遊舎「デジ絵の文法」「イラストレーションスーパーテクニック」での執筆、ホビージャパン「スーパーデフォルメポーズ集 ラブラブ編」でのコラムの担当など、絵の講師としても活躍させていただいています。