koutetu yarouです。今回は「動物×メカデザインの考え方」というテーマでお送りします。
動物・昆虫・水生生物……、そして人間もそうですが、生き物というのは基本的に「機能的」にできています。構造が単純になればなるほどその傾向が強いです。そこからデザインを取り入れることができれば、より魅力的なデザインを作り出せるかもしれません。
今回はそういった点を、講座として紹介いたします。
▽目次
メカデザインのモチーフを選ぶ
今回は水生生物から選ぶことにしました。特に私はフワフワ泳ぐ生き物がすきなので、クラゲとタコを組み合わせたモチーフにしていきたいと思います。
デザインラフの考え方
クラゲモチーフのメカの描き方
生物モチーフですので生き物のイメージに沿うようにパーツを配置していきます。
今回は人に被せるイメージにしました。ケーブルでクラゲの触手を表現し、それを流れるように演出することで浮遊感を狙っています。例えば、クラゲといえば浮遊感のイメージです、個人的に。
線入れに入る前にもう少しラフをクリーンアップします。
イメージが固まったところで線入れに入ります。クリーンラフまでに固まった「浮遊感」を重視していきます。
キャラクターの上半分はデティール多めにして視線を誘導します。下半身から足先、ケーブル触手の先へとは自然と視線が流れるように、下半分はディテールを抑えました。
簡単に影付けをしてデザイン案は完成です。クラゲ本体を模したドームから光が発しているようにしています。
哺乳類モチーフのメカの描き方
もう一つ、こちらは過去に作った物ですが、哺乳類モチーフのデザインを考えたときの物です。
デザインを考える際、なぜこのモチーフなのかという設定なども一緒に考えながら描いてみると楽しいかもしれません。
このデザインを作ったときに考えていたことは下記の流れです。
- 今回描くキャラクターは市街地等の住宅・建造物の密集地で使用されるスーツを着ている設定でいきたい。
- かつ、高機動で柔軟性のある動作を求められる特殊部隊員である。
- となれば、住宅密集地でブースター等の衝撃波や熱風等が発生する移動装置を付けるのは好ましくない。
- その為、下半身に動作補助用のレッグユニットを増設することによって、周囲への影響を最小限に抑えつつ、高機動と柔軟性を両立する事が可能なのではないか。
=じゃあ下半身がウマのケンタウロススーツ!!
という感じでウマをモチーフとして取り込んでいます。
馬はパワフルなイメージですので、力強く地面を蹴って、方向の切り替えしを行っている場面を描こうとしています。ラフで全体の動きは固まったので、デザイン部分を詰めていきます。
ラフの段階では躍動感が足りないと感じていたので、上半身に更に角度を付け、薬きょうにパースを追加することでキャラクターが後ろへ切り替えしている図を演出しようとしています。
まとめ
デザインとモチーフを考える際に、機械やサイボーグならではの、役割や設定などを考えつつ描いてみると楽しい上に考えもまとまりやすいのでオススメです!
現実にある機械も、昆虫や動物の動作を元に作られていることが非常に多いです。それだけ機能的なデザインが多いので、是非とも生き物をモチーフにメカデザインをしてみてください!
著・画 koutetu yarou
フリーランスコンセプトアーティスト・イラストレーターとして活動中。