色の微調整をしてイラストの雰囲気を変えてみた。- ゆめかわ、アンティーク風イラスト -

色の微調整をしてイラストの雰囲気を変えてみた。- ゆめかわ、アンティーク風イラスト -

イラストの色を塗った際に「なんだかワンパターンに感じる」「少し雰囲気を変えてみたい」と思ったことはありませんか?

今回は色調補正ツールの「色相・彩度・明度」を使用して、こちらのイラストをもとに色使いを少し調整して雰囲気を変える方法をご紹介します。CLIP STUDIO PAINTを使用していますが、他のペイントツールでも同様の機能はありますのでご参考ください。

 

色調補正はあらかじめ塗ってあるイラストの色を変えられるツールです。レイヤーを細かく分けてあれば1パーツごとに色を調整できるのでとても便利です。「プレビュー」の部分にチェックを入れておけば、色の変化を確かめながら調整できるのでおすすめです。

 

▼目次

ゆめかわ風イラスト

 線画色の調整

 下塗りの調整

 カゲ色の調整

アンティーク風イラスト

 線画色の調整

 下塗りの調整

 カゲ色の調整

 

ゆめかわ風イラスト

ゆめかわ風イラスト

「ゆめかわ」とは”ゆめみたいにかわいい”の意味です。パステルカラーのグラデーションが効いている特徴があります。

 

ゆめかわ風は「パステルカラー」と「紫&ピンク」を意識しながら調整していきます。

線画色の調整

ゆめかわ風イラスト

まずは線画色を変更します。線画色を最初に変えるとイメージが掴みやすくなるからです。

 

線画色を変更するときは「下のレイヤーでクリッピング」などを利用しましょう。線画色を紫にすると異世界感っぽい印象が生まれます。明度を低くしすぎると暗い印象になってしまうので少し明るめの紫を使用しましょう。

 

色を調整するときはカゲレイヤーを非表示にします。目に見える情報を減らした方が調整しやすいからです。

 

また、イラスト全体が見える状態で調整を行いましょう。色調のバランスが整えやすくなります。塗られている範囲の広い色から調整していくとやりやすいです。

下塗りの調整

ゆめかわ風イラスト

ワンピースの下塗りの色を調整します。

 

彩度と明度を上げて、色相は少し青緑っぽく調整しました。スッキリした色になったと思います。この色調に合わせて他の色も調整していきます。

ゆめかわ風イラスト

髪の色を調整します。彩度と明度を上げました。色相は変えていません。

ゆめかわ風イラスト

シーツの色を調整します。髪の色と同じように彩度と明度を上げました。他の色も同様に調整していきます。

ゆめかわ風イラスト

靴下の色を調整します。彩度を少し上げて、明度を大きく上げます。彩度を明度と同じぐらい上げてしまうと、少し色の主張が強くなってしまうので注意しましょう。

 

明度を大きく上げることにより色に軽さが生まれて爽やかな印象になります。ゆめかわ風は特に明度感を意識しながら調整していきます。

ゆめかわ風イラスト

ゆめかわ風の下塗りが終わりました。(瞳の色は全て調整済みです。)

カゲ色の調整

ゆめかわ風イラスト

次はカゲ色を調整します。

 

まずは、ワンピースのカゲ色を調整します。彩度を少し上げて、明度を大きく上げました。色相は少しずらして紫みを出しています。

 

彩度と明度を上げることにより華やかな印象になります。

ゆめかわ風イラスト

髪のカゲ色を調整します。彩度を少し上げて、明度を大きく上げます。色相は少しオレンジ系にしました。

 

下塗り色とカゲ色の色相差を少しつけると華やかな印象になります。

ゆめかわ風イラスト

シーツのカゲ色を調整します。彩度を少し上げて、明度を大きく上げます。色相は少し紫寄りにしました。

 

カゲ色の色相は紫やピンクに寄せるとゆめかわっぽい印象が生まれます。他の色も同様に調整していきます。

ゆめかわ風イラスト

一通り塗り終わりました。最後に気になった部分を再調整します。

ゆめかわ風イラスト

ワンピースの色の彩度を少し下げて落ち着かせたり、シーツの色の明度を上げてスッキリさせたりしました。

 

これで完成です。

ゆめかわ風イラスト

通常(元絵)との比較です。

 

全体的に明度が上がって軽い印象になりました。また、紫やピンク色の範囲が広くなって可愛らしい印象になったと思います。

アンティーク風イラスト

アンティーク風は「くすんだ色」「暖かみのある色」を意識して調整しましょう。

線画色の調整

アンティーク風イラスト

まずは線画色を変更します。「下のレイヤーでクリッピング」などを利用して変更し、カゲレイヤーを非表示にしてから調整していきます。

下塗りの調整

アンティーク風イラスト

ワンピースの下塗りの色を調整します。

 

彩度と明度を下げて、色相は少し青緑っぽく調整しました。少しくすんだ深みのある色になったと思います。この色調に合わせる感じで他の色も調整していきます。

アンティーク風イラスト

髪の色を調整します。

 

彩度と明度をわずかに下げて、色相はわずかにオレンジ寄りにしました。黄色系は色のくすみが目立つので彩度明度の下げすぎに気をつけましょう。

アンティーク風イラスト

エプロンの色を調整します。

 

こちらは彩度を上げて、明度を下げます。色相は大きく動かして黄みがかかった色にしました。暖かみが出たと思います。(後から下のフリルの色も同じ色に変更します。)

アンティーク風イラスト

シーツの色を調整します。

 

彩度と明度を下げて、色相は少しオレンジ寄りにして暖かみを出します。

アンティーク風イラスト

靴下の色を調整します。

 

彩度と明度を下げて、色相は大きく動かして茶色系にしました。セピア色のイメージで懐かしい印象になったと思います。

アンティーク風イラスト

スペードのクッションの色を調整します。

 

彩度明度を下げてくすませます。他のクッションも同様に調整します。

アンティーク風イラスト

ダイヤのクッションの色を調整します。

 

彩度と明度を下げてくすませます。彩度を下げすぎると色がくすみすぎてしまうので注意しましょう。

アンティーク風イラスト

アンティーク風の下塗りが終わりました。(瞳の色は全て調整済みです。)

カゲ色の調整

アンティーク風イラスト

次はカゲ色を調整します。

 

まずはエプロンのカゲ色を調整します。彩度と明度を下げて、色相を大きく動かして茶色系にしました。暖かみが出たと思います。

アンティーク風イラスト

肌のカゲ色を調整します。彩度と明度を下げて、色相は少しオレンジ系にしました。

アンティーク風イラスト

髪のカゲ色を調整します。

 

彩度と明度を下げて、色相は少し黄色系にしました。下塗り色とカゲ色の色相差が狭くなったことで落ち着いた印象になったと思います。

アンティーク風イラスト

ワンピースのカゲ色を調整します。

 

彩度と明度を下げて、色相は青緑系にします。他の色も同様に調整します。

アンティーク風イラスト

一通り塗り終わりました。最後に気になった部分を再調整します。

アンティーク風イラスト

ワンピースの色の彩度を少し下げて落ち着かせたり、シーツの色の色相を移動させて暖かみを出したりしました。

 

これで完成です。

 
アンティーク風イラスト

通常(元絵)との比較です。

 

全体的にくすんだ落ち着いた色になりました。また全体的に黄味みがかかったような色に調整したことにより、暖かみがある印象になったと思います。

 

以上となります。

次回は色調補正ツールを使用して、ミステリアスな雰囲気にする方法をご紹介します。

著・画 川下ろっかく

川下

フリーのイラストレーター・漫画家。普段は講座と女の子描いてます。Youtubeでも動画上げてます。

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