読者を飽きさせない演出テクニック カメラワーク入門②「カメラポジション」 ~カメラの高さを考えよう!~

読者を飽きさせない演出テクニック カメラワーク入門②「カメラポジション」 ~カメラの高さを考えよう!~

今回は前回に引き続き“カメラワーク”を勉強します。
“カメラワーク”には3要素と言われる

  • カメラサイズ
  • カメラポジション
  • カメラアングル

がありますが、今回は「カメラポジション(カメラの高さ)」をわかりやすく紹介しますので、人物に対するカメラの高さを意識してゆきましょう。

▼目次
カメラポジョン(カメラの高さ)
①ハイポジション
②アイレベル
③ローポジション
カメラポジションを調整して安定した画面を!
なめと入れ込みで奥行きのある構図を!

 

カメラポジション(カメラの高さ)

カメラポジションとは被写体に対するカメラの高さを指します。透視図法で言うところのE.L(アイレベル)と考えてよいでしょう。

ここでは透視図法に関してはくわしく触れませんが、E.L(アイレベル)とはその映像を見ているカメラマンの目の高さです。

 

下の図案ではE.L(アイレベル)が変わることで背景の位置や天地(空と地上)のバランスがどのように変わってくるのか、にも注目してください!

 

背景を含んだ構図になるので「人物がその場にいる状況下と背景とのレイアウトバランス」を考えて最適なポジションを選択したいものです。

①ハイポジション:被写体より高い位置からカメラを構える

被写体より高い位置からカメラを構えたカメラポジションです。
広大、人垣越し、床や地面を広く見せたり、ロングショットに活用することも多いです。

②アイレベル:被写体の目の高さにカメラを構える

被写体の目の高さにカメラを構えたポジションです。
日常的で安定感があります。また、現実感を生々しく伝えることができます。

③ローポジション:被写体の膝より下の高さにカメラを構える

被写体の膝より下の高さにカメラを構えたカメラポジションです。
非日常的なシーン天井や空を広く見せるシーンに効果的です。子供やペットの視点、変わった視点で使うと効果的です。

カメラポジションを調整して安定した画面を!

上の2つの図は同じように人物が走っている図ですが、カメラポジションを変えています。

 

左の図は上下にほぼ均一に空と斜面が区切られてますがこのレイアウトだと斜面側が少し無駄な感じがします。何か意図のあるものを斜面側に置く以外は避けた方が良いでしょう。

 

右の図のようにカメラポジションを上げて、空を大きく見えるレイアウトにした方が安定したカッコいい画面になります。

「なめ」と「入れ込み」で奥行きのある構図を! 

 

上のサンプルはキャラクターの登場シーン人物のサイズに変化を付けてかっこよく演出しています。どういった工夫を凝らしているのでしょうか?

 

上の2つの図案のようにカメラの手前に被写体の一部分を入れる構図「なめ」と言います。
また下の図案のようにカメラの手前に被写体の形態がほぼ確認出来るサイズで画面に納める構図「入れ込み」と言います。


どちらも複数の人物をレイアウトして画面に奥行きを持たす手法です。

 

このサンプルでは悪役キャラにスポットライトが当てられた後、いきなりメインキャラが登場するのではなく3コマ目でE.L(アイレベル)を斜めにし、「足なめ」の構図で一呼吸置くことで、よりこの後のシーンに迫力を持たせています

 

また、5コマ目では「入れ込み」の構図を使ってキャラの位置関係に奥行きを持たせつつ、キャラ間の立ち位置(ボケ・突っ込み)の関係性も垣間見えるよう工夫しています。

最後に

今回の“カメラポジション”いかがだったでしょうか?

 

描き始めて間もない方はE.L(アイレベル)を人物の目線ばかりに置いて、背景を描いている場合が多いようです。

 

背景を含んだ構図やキャラクターがその場にいる状況下を考え“カメラポジション”=E.L(アイレベル)にも変化を付けるよう心がけましょう!

 

また「なめ」「入れ込み」は初心者の頃にはなかなか出来ていない構図です。複数の人物をレイアウトする際には積極的に使っていきましょう

著・画 管 清和(かん きよかず)

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複数の専門学校にてマンガ・イラスト学科をプロデュース。多くのマンガ家・イラストレーターを業界に輩出している。BS11で放映された『ゼロから始めるマンガ上達塾』ではKAN塾長として出演。 著書に「マンガベーシックテクニック」「なぞって上達 マンガ 手と足の描き方」がある。