ライティングが美味しさを生み出す! カツ丼の描き方メイキング講座

ライティングが美味しさを生み出す! カツ丼の描き方メイキング講座

近年、様々なグルメ漫画が流行していますよね。グルメの主役といえば「食べ物」ですが、いざ描くとなるとはなかなか難しいものです。

 

そこで今回は食べ物の描き方として、「カツ丼」を例に描き方をメイキング形式でご紹介描くテクニックや美味しく見える仕上げテクニックなども合わせてお届けします。

 

▼目次

下書き~ペン入れ:実物を観察して描こう

色分け:レイヤーは大まかに分けよう

下塗り:色の変化だけを見よう

ライティング:柔らかいブラシと硬いブラシを使い分けよう

 明るい部分の描写

 暗い部分の描写

 影色の調整

 ハイライト

色調整:素材の違いを強調しよう

仕上げ:美味しく見えるようにする

 

下書き~ペン入れ:実物を観察して描こう

下描き

まずは下描きです。実物が元になるモチーフは、写真などの資料を用意して見ながら描きます。

 

食べ物だけ描写がリアルになると浮いてしまうので、キャラクターや背景など他のモチーフと合わせたタッチを意識しましょう。

 

続いてペン入れですが、今回は萌系のテイストで食べ物で描くため、かつ丼の細かいディティールは省略しました。その為、主線はガイドにする程度で細めにしています。

 

食器は図形ツールを使ってきっちり引くと固さが出て、食べ物と質感の差が表現できます。

色分け:レイヤーは大まかに分けよう

色分け

かつ丼の色はグラデーション的に変化しているのでざっくりと色分けしています。レイヤー分けも細かくしない方が自然に見えます。

下塗り:色の変化だけを見よう

下塗り

色分けが終わったら下塗りです。

 

凹凸による影は無視して色の変化だけを見ましょう!色も陰影も一気に塗ろうとすると濁った色になるので注意。

ライティング:柔らかいブラシと硬いブラシを使い分けよう

明るい部分の描写

明るい部分の描写

エアブラシの柔らかいタッチで、カツの明るい部分にふわっと光を当てて立体感を出します。(スクリーン70%)

明る描写

さらに、細かい部分を明るくしていきます。その際はGペンなどの硬いブラシを使って衣の小さな凹凸を描きましょう。(スクリーン70%)

暗い部分の描写

影を入れる

エアブラシでふわっと影を入れて立体感を出します。(乗算)

 
影を入れる

さらに、細かな部分を暗くします。Gペンなどの硬いブラシを使って衣の小さな凹凸や卵の立体感を描きましょう。(乗算)

影色の調整

同じ色で一気に影を付ける方が作業しやすいので全体の影を一気に仕上げ、終わってから色を調整します。

 

乗算レイヤーをロックしてエアブラシで色を変えました。このとき、下塗りに近い色の彩度を低くして灰色に近くしたものを使用すると馴染みが良いです。

ハイライト

ハイライト

卵の艶を描き込んでいきます。

 

白く見える程の艶をカツに入れると質感が損なわれるので、ハイライトの描き込みは卵がかかっている部分だけにしましょう。

 

ハイライトはGペンなどの硬いブラシを使って塗ります。ぼかしてしまうとぬるぬるした印象になるのでエッジは立てて固めに入れてください。

色調整:素材の違いを強調しよう

色の調整

卵の黄身やみつばなど色の強いモチーフの上にオーバーレイで色を重ねて鮮やかにします。白身や白米の色味はそのままにすることで、素材の違いを強調するイメージです。
 

色の調整

続いて、全体に薄い茶色を乗算で重ねて統一感を出します。

仕上げ:美味しく見えるようにする

仕上げ

最後に仕上げです。器を塗って、線の色は食べ物と器の色に近づけて馴染ませます。

 

美味しく見えるようにカツのキワにハイライト入れました。光の粒を飛ばしてキラキラさせて瑞々しい印象に。さらに明るさとコントラストを少しだけ上げて、卵の白身に真っ白の部分を作りました。

カツ丼の描き方

そして、湯気を描きこめば完成です!!

著・画 珠樹みつね

イラストレーター。ソーシャルゲームのカードイラストを中心に、3DS用ゲームの背景や食玩のオマケイラストなどジャンルを問わず活躍。Webのイラスト講座なども多数手掛ける。

 

ホビージャパンより著書「CLIP STUDIO PAINT キラキラの描き方 宝石・鉱物・金属などを輝かせる塗り絵テクニック」好評発売中。

 

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