機能を伝えるデザインを考えてみよう! キャラクターを描き分ける方法 その3

機能を伝えるデザインを考えてみよう! キャラクターを描き分ける方法 その3

どのキャラクターを描いても同じ顔になってしまう……という悩みを解消するために「キャラクターを描き分ける方法」をご紹介します。全5回シリーズの3回目である今回は、具体的な描き分けポイントのひとつ「機能を伝えるためのデザイン」に着目してみましょう。

 

▼目次

前回のおさらい

機能を伝えるためのデザインとは?

顔の部位を把握しよう

部位を変形しよう

 パターン1|性別を描き分けよう

 パターン2|年齢を描き分けよう

 パターン3|その他

 

※今回は「顔」を描き分ける方法のみ扱っています。

 

 

 

前回のおさらい

キャラクターの描き分けで意識すべき点は「キャラクター設定の違いを描き分ける」ということです。

 

その為に、キャラクター設定をデザインに反映する方法を習得しましょう。

 

反映させる方法は

  • 違いを伝えるためのデザイン
  • 機能を伝えるためのデザイン
  • 性格を伝えるためのデザイン

の3つあります。

 

前回取り上げた「違いを伝えるためのデザイン」とは、メガネや髪飾りなど「他キャラクターとの設定の違いを明確にするために用意されたデザイン」のことでした。

 

前回の講座

 

機能を伝えるためのデザインとは?

今回のテーマとなる「機能を伝えるためのデザイン」とは、見たときに性別・年齢・種族など、キャラクターの行動内容が想定できるデザインのことです。

 

キャラクター設定のひとつである「どんな行動が可能か」という部分をデザインに反映させていきます。

 

顔の部位を把握しよう

私たちはキャラクターを見るとき、身体のパーツを見て、どんな行動をしそうなのかを想像します。例えば、お年寄りであれば動きはゆっくりだと思いますよね。

 

そのため、まずは身体がどのようなパーツでできているのか把握して、キャラクターの印象を決める要素を考えてみます。

 

顔の場合は目、眉、鼻、口、耳、髪、筋肉のたるみ、肌色の7つに注目します。実際にはもっと細かいパーツでできていますが、絵として顕著に表面化する部位以外は一旦無視して構いません。

 

部位を変形しよう

7つの顔のパーツは、サイズや形状などがキャラクターによって千差万別ですが、見る人達がほぼ共通の感覚として持っているイメージがあります。

 

たとえば、こわばった輪郭なら男性、丸い輪郭なら女性といった具合です。「見る人達が持つイメージ」を設定の反映に利用しましょう。もちろん、年齢や経験、国籍などによって持っているイメージには差異があります。なので、主なターゲット層は事前に想定しておきましょう。

 

パターン1|性別を描き分けよう

まずは、顔のパーツを駆使して性別を描き分けてみましょう。性別に関する一般的なイメージは、主に以下(図)のようなものがあります。
 

性別の描き分け方

 

性別の描き分け方

 

耳に関しては、性別、年齢で大きく変化しないので、この項目では取り上げていません。前回からの繰り返しとなりますが、顕著に違いが出る部分以外は、描き分けにおいて重要なポイントではありません。

 

性別の描き分け

これらのイメージを覚えていると、わざと男キャラクターに女性イメージのパーツを使用することで、中性的なイメージの男性にしたり、逆に男らしい女性を描くことも可能です。

 

パターン2|年齢を描き分けよう

性別の次に重要なのが年齢です。

年齢を描き分け方

 

年齢の描き分け方
 

年齢の描き分け方

 

これも性別と同様に、本来のイメージと異なるパーツを用いることで、童顔などのギャップ設定を描くことができます。

 

パターン3|その他

体調や体格、また国籍、種族などによっても想定できる「行動内容」が変わってきます。これらも性別、年齢と同様に、7つのパーツのサイズ、形状、色を変更することで見る人が持つイメージに近づけていきます。常に「こんなパーツなら、見る人はこんなイメージを持つ」というパターンをストックしておくことが重要です。

 

まとめ

機能を伝えるためのデザインで重要なのは、見る人に「このキャラクターはこんな行動をしそうだ」と意図した通りに伝えることです。

 

絵を見る人達は、自分が持つイメージと照らし合わせて、デザインから性別や年齢を読み取り、きっとこんな行動パターンを取るキャラクターだろうと想定します。

 

女の子らしいという設定を持つキャラクターを描いているつもりなのに「男の子かと思った」と言われてしまえば、失敗です。

 

重要なのは「らしさ」という一般的なイメージを最大限利用することです。「こんなキャラクターだと思ってもらいたい」という設計図に沿ったパーツを選びましょう。

 

次回の第4回目は、最後の描き分けポイント「性格を伝えるためのデザイン」を紹介します。

 

著・画 ゼロモモ

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