昨今、大流行中の擬人化キャラ。
モチーフをもとにキャラクターをデザインする技術「キャラデザ力」が必要となります。単に元のモチーフから「あれもこれも!」と詰め込み過ぎると、ゴチャゴチャしたデザインになってしまいます。
今回は「モチーフの魅力を引き出す擬人化キャラの描き方」をご紹介。キャラクターイラストを描いている人は是非意識してみてくださいね。
擬人化では、キャラクターの魅力を第一に考える
擬人化とは言え、主役となるのはキャラクターです。モチーフの要素を詰め込み過ぎてしまうと、キャラクターとしての印象や魅力が薄れてしまいます。「かわいい!」「カッコイイ!」といったキャラ本来の魅力を潰さないようにするのが大切です。
それではサンプルイラストを使った実例を見てみましょう。今回はモチーフに「光属性のドラゴン」を選びました。このドラゴンはたくさんのデザイン要素を持っていますが、擬人化するにあたり、今回は8つの特徴を選びました。これらの要素を詰め込んだイラストが以下のキャラクターです。
選んだ要素を全て取り入れていますが、キャラクター自身の魅力が引き立っており、全体にバランスよくドラゴンの特徴を取り込んだデザインに仕上がっています。
また、肌が露出した衣装や顔つきなど、元絵のモチーフ以外の要素もキャラに魅力を与えているのが分かると思います。このようなモチーフ以外のデザインはキャラクターイメージと合っていれば、キャラの魅力を引き立てる要素なのでうまく使いましょう。
擬人化キャラのメインモチーフを決めてから、イラストに落としこむ
多くの要素をひとつのキャラクターに詰め込むとゴチャゴチャした印象を与えるデザインになってしまいます。そんなときは「特徴となる部分(メインモチーフ)の厳選」をしましょう。
例えば、このドラゴンの場合、8つの特徴を厳選しています。この中からさらに「一番見せたいモチーフ(メインモチーフ)」を意識して制作することが重要です。画面上で複数の要素を平等に扱ってしまうとイラストが平面的になりがちだからです。
メインモチーフを引き立たせる構図を作ることで、イラストをよりドラマチックに見せることができます。
光属性のドラゴンを元に考えると、例えばこんなモチーフの見せ方ができます。
- 武器の力強さを大胆に見せる構図
- 羽の美しい流れをメインにした構図
- 光の能力で攻撃している構図(光に迫力が出る為、塗り込みで迫力を出すことができます)
擬人化キャラの魅力をさらに引き立てる演出をする
メインモチーフを決めた上で擬人化したキャラクターが以下のイラストです。
光の玉をメインにした構図です。玉を手前に出すことにより奥行き感が生まれ「光属性」という要素が引き立っています。
さらに、メインモチーフを引き立てるために明度と彩度を調整したイラストがこちら。
調整点は以下の3点で、ブラシで塗りこまなくても印象を大きく変えることができます。
- メインである光の玉の発光感を出す為に、体や髪の毛に光を追加
- 全体の彩度が落ち着いて見えるので、顔周りの彩度を上げて視線を誘導する
- 手前の羽と奥の羽の距離感を出すため、画面向かって左側の羽の明度を上げ、彩度を下げてトーンを落ち着かせる。
光のモチーフがより強まった結果、手元と顔周りに視線が集まるようになりキャラクターの魅力が一層引き立ちました。
また「光属性のドラゴン」というのも、よりわかりやすくなっています。
擬人化キャラの描き方まとめ
擬人化のデザインをするときは、キャラクターのモチーフを多く詰め込むより、キャラクターの魅力を第一に描くのが重要です。その為には、メインモチーフを決めてから、デザインを組み立てていくと、バランスの良いデザインになります。そして、よりイラストが映えるように、メインモチーフを決めて構図や色合いを調整していくとレベルアップするので、試してみてくださいね。
イラストのご提供ありがとうございます。
[光属性のドラゴン | イラスト:アイラ]
[ドラゴンの擬人化 | イラスト:cromi]