基礎力UP!立体感を表現する際に必要な2種類の光を覚えよう
2015.01.02
イラストの雰囲気を高めるライティング。光源の位置に基づいた陰影によって、キャラクターの存在感や画面の密度が一段と高まり、迫力のあるイラストに仕上げることができます。
今回は「イラストにおける陰影」をテーマに、
について解説します。影のつけ方がよくわからない方は基本から、影の演出方法について知りたい方は応用からご覧下さい。
影を考える点で、最も大切なことは光源の設定です。
光源とは文字通り「光の源(みなもと)」を指します。
日常生活では
室外:太陽光
室内:電球、窓から入る太陽光
が主な光源となることが多いです。
塗りなどの描写を進める際、光源を明確に決めないと的確な位置に陰影を付けられない為、描写が進むにつれてイラストが破たんしてしまいます。
塗り始める前に、光が
を必ず定めてから塗りましょう。
光は大きく分けて直接光と反射光に分類されます。
明るさは「直接光>反射光」です。反射光は拡散された光なので直接光より明るさが弱いからです。影は光の強さ、光と物質の距離、物質の素材により表現は異なるので、実際の物に当たる光を見て自分のイラストに取り入れてみましょう。
キャラクターに影を付けるのが難しいと感じる方は、描いている対象を「大きな立体」として捉えましょう。複雑な物体も四角や円柱、丸などの単純な図形に置き換えることで捉えやすくなり、影の位置も決めやすくなります。大きく影を取ってから、細かな部分の影を描き込んでいくと、総合性の取れた影が描けます。
4種類の異なる光源によってできる影の違いと、キャラクターの印象の違いに着目してみましょう。
△線画
キャラクターに明るい印象が生まれました。顔に光を射すとキャラが映えるので、モバイルゲームイラストの定番です。
正面が暗く表情が見えにくくなるため、キャラクターがダークな雰囲気になります。
裏表や陰のあるキャラクターに向きますね。
表情が見えにくく、キャラクターの目の部分に影が落ちるため、不気味な感じが醸し出せます。迫力のある悪役キャラにピッタリです。
後ろから光を当てることで、手前側に影ができます。このことを「逆光」と呼びます。
全体に影を落とし、エッジにハイライトを入れることで形を引き立てます。
クールな描写になるので、キャラクターの登場シーンに使うと効果的です。
キャラクターで最も重要になる顔のパーツが見えにくい場合は、顔だけスポットライトのように光を照射すると良いでしょう。その際は基本的な光源と陰影のルールを抑え、顔だけ特例と考えると陰影に整合性が取れるので試してみてください。
いかがでしたか?
影をコントロールすることでキャラクターの印象が大きく変わりましたね。影の付け方はイラストを大きく上達させる技術なので、正しい影の位置を捉えて見せ方を工夫してみましょう。