イラストレーター Anmiさんが教える!  可愛い女の子のキャラクターデザインの考え方

イラストレーター Anmiさんが教える!  可愛い女の子のキャラクターデザインの考え方

2019年11月、全国の総合学園ヒューマンアカデミーにて『ドールズフロントライン』の一部キャラクターデザインなどを手掛けている、イラストレーターのAnmiさんによるワークショップが開催されました。

 

そこで今回の記事では本イベントのレポートをお届け。Anmiさんによるキャラクターデザインのコツやワークショップの一部をご紹介します。

Anmi

《プロフィール》

韓国出身のイラストレーター、漫画家。

 

『ファンタジスタドール』キャラクターデザイン原案やスピンオフコミカライズ担当。『放課後のプレアデス Prism Palette』ではコミカライズ担当とアニメーションのアイキャッチイラスト担当。ゲームイラストでは『ドールズフロントライン』や『Fate/Grand Order』などを手がけている。イラストメイキング本「CGイラストメイキングVol.9」の執筆も行い、様々なクリエイティブを制作している。今冬にはAnmi初の画集『CRYSTAL CLEAR Anmi作品集』が発売予定。

 

▼目次

Anmiさんが伝授! 可愛い女の子のキャラクターデザインの考え方

 キャラクターデザインの考え方

キャラクターデザインワークショップ

 学生作品1

 学生作品2

 Anmiさんのワークシート

総合学園ヒューマンアカデミーの次回イベントは2020年1月25日(土)!ゲスト講師は『アホガール』の作者 ヒロユキさん!

 

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Anmiさんが伝授! 可愛い女の子のキャラクターデザインの考え方

総合学園ヒューマンアカデミー_Anmiセミナー

▲総合学園ヒューマンアカデミー横浜校でのセミナーの様子。システムを利用して全国の校舎に生配信されている。

 

Anmiさんは人気ゲーム『ドールズフロントライン』の「スオミKP-31」「Am RFB」「K2」のキャラクターデザイン、『Fate/Grand Order』の一部概念礼装などを手掛けた今話題のイラストレーターの一人です。

 

総合学園ヒューマンアカデミーではAnmiさんのキャラクターデザインのコツに迫ったワークショップイベントを開催。多くのクリエイター志望の学生がAnmiさんのテクニックや考え方を学びに参加されました。

 

まずは、キャラクターデザインワークショップ実施の前に、Anmiさんからキャラクターデザインに対する考え方、取り組み方法についてお話いただきました。

キャラクターデザインの考え方

▲人によって可愛いは異なる。「優しいところ」が可愛く感じられたり、「強がりなところ」が可愛く感じられたり。

 

Anmi:

可愛いという言葉は曖昧なもので、人それぞれに可愛いがあります。なので、可愛いには正解がありません。だからこそ、キャラクターデザイナーは自身や依頼主が思う可愛いをポイントを考えて「キャラクターの個性や魅力を込めてデザイン」することが大切だと思っています。

Anmi:

自身が可愛いと思うポイントを踏まえ、キャラクターのプロフィールを考えて具現化していきます。

 

例えば、上図のような要素です。ヘアスタイルや背の高さ、役割、服装のスタイル、さらにはキャラクターに紐づくストーリーなどいろんな情報がデザインの構成要素になります。そういう情報をできるだけ目に見えるようにするのがデザインのポイントです。

Anmi:

具体的なキャラクターデザインのフローについて紹介します。

 

例えば、動物をテーマに可愛い女の子をデザインするとします。大切なのが「自分が可愛いと思うポイント」を考えることです。そして、テーマを当てはめます。今回は動物がテーマなのでウサギとしてみました。

Anmi:

可愛いと思うポイントを基にデザインを具現化します。「優しい」というキーワードがあれば、パッと見で優しい印象を与える必要があるので「タレ目」にします。茶髪は、必ずしも優しい印象があるわけではないですが、何となく優しいというイメージによく似合うと思い、選択した要素です。

 

「胸が大きく、セクシー」というポイントを表現したいので、「胸元がよく見える服装」にします。そして「うさぎ」というテーマがあるので「うさ耳」をつけるデザインを考えました。

Anmi:

さらに具体的な情報を加えていきます。服装のイメージとか身長を想像してみたり、白を中心とした配色のほうがピュアで優しそうと思ってみたり。こういう情報が揃ったら、それをベースにデザインすることで、何もないところからいきなりデザインするより楽ですし、方向性が見えてくると思います。

Anmi:

以上がまとめです。「可愛いポイントを掴んで、テーマを意識して、女の子を具体的に表現」してみましょう。キャラクターデザインをする際に、3つのポイントがあって、

  1. 自分が思った可愛い要素が入っているか
  2. テーマとちゃんと合っているか
  3. 可愛い要素が見る側からして分かりやすいか

を意識しています。要するに自分が描きたい可愛さは絵にちゃんと溶け込んでいるのか、溶け込んでいるのが人から見てわかるのかということです。

 

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キャラクターデザインワークショップ

引き続いて、Anmiさんのキャラクターデザインの考え方を踏まえて、参加者と一緒にワークショップが行われました。テーマは「ハロウィンパーティー」に参加している可愛い女の子。あらかじめ用意されたワークシートを使ってキャラクターデザインをする内容です。今回は一部の参加者の作品とAnmiさんによるフィードバックをお届けします。

▲ワークシートの記入例。ワークシートは自身が思う可愛いポイントをテキストで書き出し、各項目の設定を考え、キャラクターを描く流れ。

学生作品1

学生A:

はじめまして! 可愛いと思うポイントは「つり目・いたずらっ子・ロングヘア」です。

 

服装はコウモリがモチーフでショート丈のパンツ。ヘアスタイルはサイドテールのロング。体形は健康的で152cmの比較的小さめの身長です。胸は小さめ。性格はいたずらっ子。パーティのポジションはみんなにちょっかいをかける問題児のような立ち位置です。年齢は16歳の高校2年生。持たせたいアイテムはいたずらグッズの入ったカゴ。実はすごく辛い飴とか、友達を驚かせるグッズが入っています。

 

Anmi:

ありがとうございます!


第一印象として、ボーイッシュな見た目がすごい可愛いと思いました。全体的にコンセプトがそろっているので、テーマに基づいて描いているのがよく分かります。持たせたいアイテムの設定が詳しいのも凄くいいですね。

学生作品2

学生B:

よろしくお願いします!可愛いと思うポイントは「ふわふわのロングヘア・八重歯・裏と表の顔を持つキャラ性・二重・ちょっとダークなところ」です。

 

服装はリボンが付いたワンピースで、アリスみたいなイメージです。配色は黒水色と白、ヘアスタイルはフワフワのロングヘアで髪色はグレー。身長は158センチで細くもなく太くもない体型です。胸もB~Cぐらいのカップ数。性格は外面がいいが、計算高いタイプ。パーティのポジションは人気者でみんなに優しい感じ。年齢は16歳の高校生、持たせたいアイテムはウサギのリュックです。

 

Anmi:

ありがとうございます!

 

アニメーションの設定画みたいに表情絵が付いているので、表情バリエーションが見れて素敵です。全体的に不思議の国のアリスをモチーフにしてワンピースを描いたのは良いデザインだと思います。

 

2面性のある性格もいいですね。ただ可愛いだけじゃなくて、ちょっと複雑なキャラ性が一層とキャラクターの可愛さを引き出すポイントになると思います。他にもウサギのリュックのお腹が割れているのも、比喩的に表現できており魅力的でした。

 

さらに魅力的に表現するならば、無理のない範囲でハロウィン要素を入れるとテーマ性がしっかりと反映されると思います。例えば、お菓子をもたせたり、ウサギのお腹中からお菓子が少し溢れていたりすると、今のデザイン性を維持しながらハロウィンらしさを表現できるのではないでしょうか。

Anmiさんのワークシート

最後にAnmiさんが取り組んだワークシートをご紹介します。

 

Anmi:

ちょっと強がりだけどビビリ。パーティに来るいろんな人から脅かされる女の子を描きたいと思いました。私はお団子のヘアスタイルがすごく好きで入れています。そしてお姫様、ロリータも可愛いと思っているポイントです。

 

服装は、コンセプトを詳しくするために悪魔やドラキュラのようなゴシックを意識してデザインしました。ヘアスタイルはネズミっぽい頭を意識してお団子ヘアにしています。体型周りはロリータが可愛いポイントなので細くて小さい女の子。

 

性格は「ハロウィンパーティーでみんなを脅かすつもりで来たけど、ビビリなので逆に脅かされる」という、しっかりしているように見えて中身はヘタっているような、ちょっと弱みのあるお嬢様って感じです。ポジションも誰かに脅かされているところを、他の誰かに助けてもらえればな――と思っています。さらに、持ってきたお菓子をいっぱい奪われてしまう役割だと、さらに可愛さが引き立つかと思いました。

 

年齢は14歳。持たせたいアイテムは悪魔っぽい槍。攻撃力のない武器を持たせて、最初は誰かを脅かすつもりで来た設定を明らかにしたかったです。悪魔のお姫様っぽいデザインを目標に描きました。

以上がAnmiさんによるワークショップセミナーでした。キャラクターデザインに対して、苦手意識を持っていた方や直感的に取り組んでいた方には新たな学びがあるセミナーになりました。

 

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総合学園ヒューマンアカデミーの次回イベントは2020年1月25日(土)!ゲスト講師は、『アホガール』の作者 ヒロユキさん!

次回にお越しいただけるのは漫画『アホガール』『漫画家さんとアシスタントさんと』『ドージンワーク』の作者 ヒロユキさん。3作品もアニメ化に至ったヒットメーカーのヒロユキさんによる「マンガで夢を叶えるための“おもしろい”の伝え方」や「漫画ワークショップ」をトピックとしたセミナーを開催します。

 

開催は2020年1月25日(土)!参加申込はこちら!

 

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