Twitterやpixivなどに投稿されるたくさんのイラスト。誰しもが自分の描いた作品を大勢に見てほしいと願っていることと思います。では、多くの人の目に止まる「映える」イラストを描くには何が必要でしょうか?
映える作画の土台として、「作画へのこだわり」が挙げられます。こだわりを持って描かれたものは、見る側にもそのこだわりが伝わってきます。男性キャラへのこだわり、女性キャラへのこだわりが、あなたのイラストの魅力になっていくものです。
また、こだわりは「フェチズム」にも密接につながっています。胸やお尻、手といった、あなたのフェチズムを感じる部位を見つけてください。フェチズムは、その部位をもっと魅力的に描こうという作画へのこだわりにつながっていきます。
キャラの属性や部位へのこだわりが、あなたの強い武器になり、あなたの絵の個性となるのです。
ここでは、技法書レーベル「いちあっぷブックス」から、『映え作画~プロ100人が教える魅力的なキャラ作り~』より、著名クリエイターにこだわり作画テクニックをご紹介いただきます。
今回のクリエイターは、漫画家・イラストレーターのひざのきんにくさんです。
ひざのきんにくさんが制作した上図の作品の制作工程を通して、同氏のこだわり作画テクニックを見ていきましょう。
▼目次
キャラデザは「シルエット」が命
微妙な立体感はシンプルな塗りでも表現できる
目の塗り方
髪の塗り方
お腹の塗り方
腋の塗り方
キャラデザは「シルエット」が命
キャラクターデザインをする上でこだわっているのは「シルエット」です。全体を黒く塗りつぶしたときに特徴が消えないのが良いデザインです。シルエットを意識したデザインを考えましょう。
手っ取り早くシルエットに特徴を出すために、今回は猫耳にしました。とはいえ、猫耳自体はベタなモチーフなので、よりシルエットに特徴を出すために襟にも猫耳っぽい三角形を入れました。
今描いていて楽しいホットなパーツが描けるように、腋やお腹などの部分が強調されるようなデザインにしました。ノースリーブで完全に腕が見えているよりも、アウターをゆるく着せて腋部分のみを切り取ることでよりクローズアップする狙いです。
簡略化した際に特徴がつぶれてしまわないようなデザインだとよりGOODです。
微妙な立体感はシンプルな塗りでも表現できる
次は「塗り」のこだわりです。
塗りでこだわっているのは、シンプルな描写で絶妙な立体感を表現することです。また、個人的にアニメ塗りのような境界のどっしりとした塗りが楽なので、ブラシは変えずになんとか色の置き方で厚みのある絵になるよう意識しています。
目の塗り方
瞳はちょっと大げさにキラキラさせます。宝石の写真などを参考にすることが多いです。
まつ毛は肌の色や瞳の色を拾って毛の流れを立体的に描きこみ、厚みを持たせます。
髪の塗り方
髪はゼリーやようかんを塗るような感覚で塗っています。ハイライトのまわりや影の色で囲い、ツヤツヤ感を足したり、毛先を加筆して情報量を増やします。髪はとても大事なパーツです。
お腹の塗り方
人間の身体は繊細でなだらかな凹凸がたくさんあるので、それをどこまで拾って塗りに反映させるかが難しいところです。リアリティは最小限でいいのでどうしても捨てたくない、描写したい部分を拾っています。
腋の塗り方
筋肉が複雑に入り組んでいて、ポーズや見る角度によって表情が全く違う難しい箇所です。写真などを観察しながら拾いたい箇所を選んでいきます。
くぼみの影は大げさ目に暗くすると、引きで見たときに存在感が際立ちます。また、腋に引いた線から流れる影は特にマストで入れたい部分です。
今回大事にしたかったのは大胸筋の存在感と下のくぼみです。腕の付け根から胸にかけての大胸筋の流れをできる限り控えめに描写します。
最後に
今回はキャラクターデザインと塗りに注目して解説しました。
キャラクターデザインでは、黒く塗りつぶしたときに特徴の消えない「シルエット」を持つデザインを考えましょう。猫耳などのシンボリックなパーツが効果的です。
塗りにおいては、シンプルな描写で微妙な立体感できます。お腹や腋などのなだらかな凹凸がある部分はどこまで描きこむかを吟味して、拾いたい情報を選んでいきましょう。
まとめ
- 良いキャラクターデザインは「シルエット」が特徴的
- シンプルな塗りで立体感を表現できる
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