自然物である木と岩の描き方に引き続き、今回は空と雲の描き方をご紹介します。空は背景イラストで頻出する描写であり、描けると重宝します。
今回は、空と雲の描き方について背景イラストレーターの有馬憲吾さんが解説。ペイントアプリであるProcreateを使って彩色するコツや、ブラシの使い分けについてもご紹介します。
記事の最後には詳しい動画解説があるのでチェックしてみてください。
今回使用する機材とアプリは、iPadとProcreateです。考え方を応用してCLIP STUDIO PAINTやPhotoshopを使って描くことも可能です。
▼目次
空の描き方
1. 一番薄い色を塗る
ブラシは「エアーブラシ>ソフトブラシ」を使用します。
空色のベースとなる色を選択し、ブラシサイズを大きくして全面を塗りつぶします。
ここでは薄めの色を選択して、塗っていきましょう。徐々に濃い色を重ねて空色のグラデーションを作っていきます。
2.濃いめの青を塗る
先ほどより濃いめの青を選択して、上から下にかけて薄くなるグラデーションをイメージして塗ります。
△色相(輪の部分)を少しずらしてもよいです。
3.一番濃い青を塗る
さらに濃い青を選択して、画面の上部を塗ります。こうすることで空の奥行きを表現できます。
空のバリエーション
違う色相の色を使ってみることもおすすめです。下部に明るい緑を乗せてみました。
使用する色を変えることで、いろんな空を表現できます。空や、空の写真をよく見てみるとピンクなど様々な色が入っていることがわかります。資料を見ながら、いろんな空を描いてみてください。
基本的にグラデーションで簡単に表現できますので、色をチョイスするのが一番のポイントです。
夕方:紫を上から重ねる
夕焼け:赤を上から重ねる
曇天(どんてん):暗めの色で構成する
雨空:曇天に雨や靄(もや)を足すと、雨模様が表現できる。
雲の描き方
雲の種類
空に雲を描くと画面が映えて、作品としても一層使いやすくなります。
メジャーな雲の種類を紹介します。
- 巻雲(けんうん):高いところにあって伸びている雲
- 乱層雲(らんそううん):雨雲。暗く質量の高そうな雲
- 積雲(せきうん):もくもくとしたイメージしやすい雲
- 層雲(そううん):山にかかっている霧
- 積乱雲(せきらんうん):いわゆる入道雲で、夏に見られる
△今回、仕上げる雲のイラストのサンプル
雲の大体のかたちを決める
使用するブラシは「ペイント>オリエンタルブラシ」です。
写真などを参考にしながら、雲の大体のかたちを決めます。ふちにエッジが立っているので、これだけでもなんとなく雲らしく見えます。
雲の形を調整する
指先ツールから「カリグラフィ>水彩ペン」を選択します。触った場所の色が伸びるため、絵の具を指先でごしごしと混ぜるような感覚で使えます。
雲に決まったかたちはありませんが、カッコいいシルエットを目指しましょう。
たまに画面を引いて、全体のバランス確認をしましょう。
影を描く
今回は光源を左上に設定します。太陽が当たっていない下の部分に雲の影を描きます。
影というと、黒のイメージがあると思いますが、黒色は使いません。雲は水蒸気の塊です。周りの色が反射したりと、透けているため空の青を使います。
使用するブラシは「ペイント>オリエンタルブラシ」です。
雲はモクモクした塊がくっついてできているので、そこに光が当たって影ができていることを意識します。
ブラシで大体描いたら、指先ツールの「カリグラフィ>水彩ペン」で整えていきます。描いて、整えることを繰り返しましょう。
薄めに白を乗せて、影の濃さを調整します。
基本的に、雲のどのような形をしているのか考えながら描きます。全体を見ながら、バランスを整えましょう。
タッチを追加する
ブラシの、エレメント>雲を使用すると、簡単に雲を描くことができます。しかし、このブラシだけで描くと、このような均一的な仕上がりになってしまいます。
なので、先ほどまでの工程で雲を描いた後に、仕上げとしてタッチを追加する程度に使用するのがオススメです。便利なブラシなので、組み合わせて使用することで、効果を発揮します。
以上で完成です。
さらに詳しく学びたい方は解説動画をチェック
こちらの動画を見ると、ブラシでの彩色過程やまとめを見ることができます。より理解を深めたい方は是非ご覧ください。
記事元の著者:有馬憲吾
印刷会社を退職後、友人とデザイン会社を設立。現在イラストレーターとして活躍中。
モットー『なんでも楽しくやる』
座右の銘『面白き事も無き世を面白く』
イラスト、デザインのお仕事は随時受付中です。
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