口は、顔の比率を決める要素のひとつ。感情を豊かに表現することができたりと、キャラクターを描くうえで非常に大切なパーツです。
また、目のデザインと同じく、形や大きさが様々で、鼻のデザインのように人によって描き方やデフォルメの仕方に幅があります。主な構造を覚えてコツを掴み、思い通りの口をデザインしましょう。
▼目次
口の構造
口の構造は複雑なのでデフォルメすることが多いパーツです。基本的に鼻と同じくリアルに描くと大人っぽく、デフォルメすると幼く見えます。口を閉じた場合は、唇を描くか描かないか程度の違いしかありません。
唇を描くと大人っぽくなるので、描くキャラクターや好みによって描き分けましょう。口の中も、特徴的なパーツである舌と歯、場合によって口蓋垂(のどちんこ)が描かれますが、その他は手間を省くため省略されることが多いです。自分の絵柄と相談して理想のデザインを目指しましょう。
歯の構造
歯も同様にデフォルメされることが多いですが、構造を覚えておいて損はありません。中切歯(前歯)、側切歯(サブ前歯)、犬歯が、それぞれ2本ずつで構成されており、その他は奥歯になります。下の歯は上の歯より小さいですが、構造は同じです。
口の描き方
まずは顔のアタリに口の大体の位置を決める横線を引きます。この横線が口のアタリになります。閉じた口であれば、これに合わせて口のラインを描き、お好みで唇を描いて完成です。
開いた口を描く場合、この口のアタリの横線を囲うように四角形を描きます。これが大体の口の大きさになります。その後、口の両端に三角形を描き、デッサン完成です。
三角形の形で口の形を決めることができるので、笑った口や怒った口など自由にデザインしましょう。また、口の形は左右対称であることを意識しておきましょう。最後に歯や唇などを描き込んで完成です。
口を描くコツ
口の形は左右対称
特殊な形にならない限り、基本的に口の形は左右対称です。もちろん唇や歯も左右対称になるので、これを意識するだけで難しい口の形や角度のついた口の形も意外とスラスラと描けると思います。
鼻~口:口~アゴの比率は1:2
デッサンにおいて口の位置というのは、顔のデッサンの中でも特に重要です。鼻~口:口~アゴの比率は1:2になります。
あまり口の位置が上すぎるとアゴが長くなってしまい、下すぎると鼻の下が長くなり猿顔になってしまいます。この比率ですが、唇は含まず、口からの距離になります。間違えると顔が異様に長くなってしまうので注意してください。この比率は整った顔を描くには非常に重要なので必ず覚えましょう。
まとめ
以上の点をまとめると、
- 口の形は基本左右対称
- 鼻~口:口~アゴの比率は1:2
以上のことに気をつけて描いてみてください。
なお、もう少し詳しい情報は私の著書『デジタルイラストの「身体」描き方事典身体パーツの一つひとつをきちんとデッサンするための秘訣39』の方を参考にしていただければと思います。
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著・画 松(A・TYPEcorp.)
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フリーランスのイラストレーター。
様々な絵柄を駆使し、カードゲーム「マジンボーン・データカードダス」「ディスク・ウォーズ:アベンジャーズ」のイラストや、4コマ漫画「BIOHAZARD THE TOON」の執筆、小説の挿絵などを手がける。また、絵の描き方本『デジタルイラストの「身体」描き方事典身体パーツの一つひとつをきちんとデッサンするための秘訣39』を執筆し、活動の幅を広げている。