鼻は、描く人によっては簡略化したり、場合によっては省略してしまうパーツでもあり、重要度の低いパーツだと思っている人も多いかもしれません。
しかし、顔の立体感を出すためのとても大切なパーツです。鼻の位置ひとつで、顔のデッサンを大きく左右するので、ないがしろにせずしっかり描きましょう。
▼目次
鼻の構造
鼻の構造はそこそこ豊富なパーツから構成されていますが、描かれる部分は大体、鼻筋、鼻先の二つのパーツです。その他の部分を描くと鼻が大きく見えたり、老けて見えたりするため、あまり好んで描かれることがありません。
リアルな絵柄を好む人でも描くのは鼻の穴までで、小鼻が描かれることはほとんどありません。
鼻の描き方
鼻は、いかに正しい位置にアタリを置けるかが重要です。顔のアタリの中心線に三角形を描き、その下にも逆さまの三角形を描きます。次にそれを立体的にし、ひし形の四角すいのような形を作ります。これで鼻のアタリの完成です。
この四角すいの大きさや形によってキャラクターの鼻の形や大きさを自由に変えられます。
その後、このアタリを元に鼻を描いていきます。四角すいの頂点は鼻先になり、頂点を結ぶ縦のラインが鼻筋となります。そのアタリに従い、お好みによって鼻筋や鼻の穴を描いて完成です。
子供や女性は鼻先のみを描き、男性の場合は鼻筋を、好みによって鼻の穴も描き、年齢の高いキャラクターを描く場合は小鼻を描いて、それを特徴付けるのも有効です。
鼻を描くポイント1:鼻は立体感の要
目や口のように感情を豊かに表現することのない鼻は、実はキャラクターを描くうえでは全く必要のないパーツです。鼻が存在しなくてもキャラクターの表情に影響はないので、点や線で表現したり省略することも多いです。
しかし鼻は顔のパーツの中で一番出っ張った位置にあり、しかも中心に存在する、良くも悪くも目立った存在です。少し位置がずれたりするだけで、その他の全てのパーツに違和感が出てしまいます。鼻を描く際は適当に描かず、アタリをしっかり取って描きましょう。
鼻を描くポイント2:角度による鼻の見え方
下からキャラクターを見上げたアオリの角度や、上から見下ろしたフカンの角度によって、鼻の見え方は全く違ってきます。
アオリの角度の場合、鼻の穴が見え、鼻が心持ち短く見えます。逆にフカンの角度の場合なら鼻の穴は見えず、鼻が長く見えます。これは老若男女、人種問わず共通なので、形を丸暗記して応用してしまいましょう。
まとめ
以上の点をまとめると、
- とにかく鼻を描くときはアタリをしっかり取り、正確な位置に描くことを心がけよう
- 角度による鼻の形は丸暗記してしまおう
以上のことに気をつけて描いてみてください。
なお、もう少し詳しい情報は私の著書
『デジタルイラストの「身体」描き方事典身体パーツの一つひとつをきちんとデッサンするための秘訣39』の方を参考にしていただければと思います。
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著・画 松(A・TYPEcorp.)
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フリーランスのイラストレーター。
様々な絵柄を駆使し、カードゲーム「マジンボーン・データカードダス」「ディスク・ウォーズ:アベンジャーズ」のイラストや、4コマ漫画「BIOHAZARD THE TOON」の執筆、小説の挿絵などを手がける。また、絵の描き方本『デジタルイラストの「身体」描き方事典身体パーツの一つひとつをきちんとデッサンするための秘訣39』を執筆し、活動の幅を広げている。