美しい横顔はEラインにあり! 立体感を出せる顔の描き方

美しい横顔はEラインにあり! 立体感を出せる顔の描き方

キャラクターを描きたいと考えたときに、多くの人が真っ先に描き始めるのは顔ではないでしょうか。

 

顔は描く機会が非常に多いパーツです。さらにキャラクターイラストを見る際、真っ先に目が行く部分でもあり、重要度もかなり高いです。しかし、目や鼻の凹凸などはバランスを取りづらく、突き詰めようとすると苦戦することが多いのも事実です。

 

そこで今回は顔のデッサンの肝となる「アゴ」を中心に、立体感を出す方法とデッサンのコツを紹介していきます。

 

 

顔の比率

美男美女の顔にはある程度の法則があります。

 

個人差や個性に近いものが多いので正解は存在しませんが、アゴと口に関連する比率は重要なものが多いのでぜひ覚えましょう。

顔

ひとつは鼻と口とアゴの距離の比率。それぞれ「鼻~口:口~アゴ」は1:2です。口が開いていても比率は変わりません。また、唇は口には含まれないので注意しましょう。他にもアゴのカーブの頂点は口のライン辺りになることも覚えておいて損はありません。

横顔を美しく描く「Eライン」 

顔

横顔に関する比率で「Eライン」というものがあります。鼻と口を結んだ直線のことをそう呼び、Eラインの内側に口が収まっていると美しい横顔だとされています。

立体感の出る顔の描き方

顔

顔

顔を描くときに、アゴや輪郭の位置がその他の顔のパーツと合わず、デッサンが崩れてしまうことがあると思います。原因はアゴの位置が安定しないという場合がほとんどです。アゴの位置というのは口、鼻、目の位置を決めるデッサンに直結し、顔全体を整える重要なパーツです。

 

アゴの位置を安定させる描き方として、丸デッサンに、四角いお面を加える方法があります。これによって、パーツ同士のバランスや勘で行っていたアゴの位置決めを始めとした輪郭のデッサンを、より正確に手早くこなせるようになります。さらに、正面と側面を分ける基準にもなり、顔の立体感を出すためにも一役買ってくれます。

顔

正面の顔の描き方を例に見てみましょう。

 

お面から輪郭を作るには、3本の補助線を使います。左右対称となるように縦線を二本引くことによってアゴの幅を決めます。縦線の間隔が広いほどがっしりとしたアゴに、間隔が狭いほどスリムなアゴになります。あまり間隔が狭すぎると不安定になってしまうので注意しましょう。

 

横線の位置で輪郭のスリムさを決めることが出来ます。線の位置が高いとスリムな輪郭に、低いとがっしりとした顔立ちになります。この3本の補助線を使って好みのアゴと輪郭の形を描きましょう。

顔

鼻は立体感の要

鼻は感情を表現することのないパーツは、実はキャラクターを描くときにまったく必要ありません。デフォルメして点で表現したり、人によっては完全に省いてしまうことも多いですが、描く必要がある場合には立体感を出すためにとても重要なパーツになります。

顔

鼻は横から見ると顔の中で一番出っ張っており、それを考えてデッサンする必要があるのですが、適当に決めてしまうとただの汚れのように見えてしまったり、鼻が陥没しているように見えてしまうので鼻を描く際には特に気を遣って表現しましょう。

 

まとめ

以上の点をまとめると、

  • 顔の比率を覚える(特に口に関する比率は重要なものが多い)
  • 横顔はEラインを意識する
  • 顔のデッサンに四角いお面を使ってアゴと輪郭のデッサンを安定させる
  • 鼻は顔の中で一番出っ張っているということに注意する

この4つに気をつけてデッサンをしてみてください。顔の立体感の把握がよりしやすくなると思います。


なお、もう少し詳しい情報は私の著書

『デジタルイラストの「身体」描き方事典身体パーツの一つひとつをきちんとデッサンするための秘訣39』の方を参考にしていただければと思います。

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いろいろな角度の顔の描き方、目の描き方をはじめとした顔のパーツの描き方まで網羅しています!

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フリーランスのイラストレーター。

様々な絵柄を駆使し、カードゲーム「マジンボーン・データカードダス」「ディスク・ウォーズ:アベンジャーズ」のイラストや、4コマ漫画「BIOHAZARD THE TOON」の執筆、小説の挿絵などを手がける。また、絵の描き方本『デジタルイラストの「身体」描き方事典身体パーツの一つひとつをきちんとデッサンするための秘訣39』を執筆し、活動の幅を広げている。