ほんの数年前まで、デジタルでイラストやマンガを描く方にとって「部屋で描く」以外の選択肢はあまりありませんでした。
今まで、パソコンで絵を描くにはペンタブレットが必要だったので自宅や仕事場でなければデジタルで絵を描くことができなかったからです。
しかし、タブレットPCの登場により、デジ絵を描く環境が大きく変わりました。外出先でも気軽にお絵描きができるようになったのです。
今回はそんなどこでもお絵描きが出来るタブレットPCをまとめてみました。
Wacom『Cintiq Companion2』
『Cintiq Companion2』はあのペンタブレットの大手企業「Wacom」が送り出したタブレットPCです。PCと繋がなければ使えない液晶タブレットとは違い、PCが内蔵されているタイプの液タブです。
OS:Windows
メインメモリ:4GB~8GB
ストレージ:SSD64GB~512GB
サイズ:13.3型(293.76 x 165.24 mm)/16:9
質量:約1.7kg
▽詳しいスペックはこちら
http://tablet.wacom.co.jp/article/cintiq-companion2
型番は
- DTH-W1310T/K0
- DTH-W1310E/K0
- DTH-W1310P/K0
- DTH-W1310H/K0
の4種類で一番高性能な「DTH-W1310H」ですと36万円と、高級品です。一番安価な「DTH-W1310T」でも約20万円するので手が届きにくい製品のように感じますが、PCと液タブの両方を合わせると同じくらいの値段になります。
ペン入力の遅延などの問題も少なく「絵を描く」ということだけで言えばピカイチな製品です。ただ、重さが1.7kgあり、2リットルのペットボトルより少し軽いぐらいのため、持ち運ぶとなるとやや重く感じるかもしれません。
ソニー『VAIO Z Canvas』
『VAIO Z Canvas』はソニーから発売されたタブレットPCです。
OS: Windows
メインメモリ:8GB~16GB
ストレージ:SSD256GB~1TB
サイズ:WQXGA+ 2560 x 1704/12.3型(3:2)
質量:本体12.1kg
▽詳しいスペックはこちら
http://vaio.com/products/z_canvas/12-3/specification.html
Canvasの名の通り、今までの「VAIO」シリーズとは違います。このVAIOはクリエイターの意見を取り入れたクリエイターのためのVAIOなのです。ペンタブレットというと世界シェア8割を占めるWacomが有名ではありますが、『VAIO Z Canvas』も負けておらず、クリエイターの納得するペン入力が可能となっています。
また、クリエイターのための「モンスタータブレットPC」と謳っているだけあって、イラスト以外にも音楽制作・動画制作など、様々な制作に耐えられるモンスターの名に恥じない高スペックです。
『VAIO Z Canvas』はファンの音などの問題は特にないのですが、一番安いモデルを選んでも約25万円と高価です。ですが、様々なクリエイティブに対応できることを考えると妥当だと言えるでしょう。質量も本体のみであれば、約1.21kgですので移動が多い方には特にオススメです。
Microsoft 『Surface Pro 4』
「Surface Pro 4」はMicrosoft から発売されたSurfaceシリーズの新機種です。
OS:Windows
メインメモリ:4GB~16GB
ストレージ:SSD128GB~512GB
外観:高約201.3mm×幅約292mm×厚さ約9.1mm
質量:約766g(Core m3モデルの場合)
▽詳しいスペックはこちら
https://www.microsoftstore.com/store/msjp/ja_JP/pdp/Surface-Pro-4/productID.326548000
初期の頃のSurfaceはWacomのペンを取り入れていたりして絵を描く道具としては立派なものだったのですが、高熱を持ったりと様々な問題点もありました。『Surface Pro 4』では、それらの問題は改善されてきたようです。
Surface Pro 4用のSurface ペンの筆圧感知は1024段階。まるで紙のような描き心地です。メモリが最低でも4GBあるので、イラストソフト『CLIP STUDIO PAINT』もさくさくと動きます。値段も一番安いものであれば約13万円とお手頃価格です。質量も約766gと、漫画の週刊誌程度なので持ち運びにも便利ですが、高さ約201.4mm×幅約292.1mmと小さめなサイズなので、大きい画面で描きたいという方には物足りないサイズかも知れません。
富士通『arrows tab WQ2/X』
『arrows tab WQ2/X』は富士通から発売されたタブレットPCです。
OS:Windows
メインメモリ:Intel Atom x5-Z8500
ストレージ:64GB、128GB
サイズ:10.1インチ(264mm×170mm×11.8mm)
質量:約685g
▽詳しいスペックはこちら
http://www.fujitsu-webmart.com/jp/webmart/!ui073?DAI_CODE=2119
重さは約685gで、『iPad Pro』と同じく、漫画の週刊誌くらいです。今回ご紹介した他のデバイスと比べると、あまり目立っていない商品ですが、機能はしっかりしています。
スペックはメモリが4GBとイラスト制作するには十分ですし、ペンはWacom製で今までWacom製品を使っていた方には馴染みやすいのではないでしょうか。このarrows tab WQ2/Xは他のタブレットPCとは違い、防水・防塵設計なので外出先で使用するには持って来いです。耐衝撃性能もあるので、持ち運びする際にちょっとやそっとじゃ壊れません。頻繁な持ち運びによる故障などを気にする方にとっては良いアイテムです。
Apple『iPad Pro』
Appleから発売された『iPad Pro』について見ていきましょう。
OS:iOS
チップ:A9X
ストレージ:32GB、128GB、256GB
サイズ:9.7インチ(240mm×169.5mm×6.1mm)
12.9インチ(305.7 mm×220.6 mm×6.9mm)
質量:444g、723g
イラスト・漫画を描く際にはイラスト制作アプリ「メディバンペイント」などのAppStoreで配信されているペイントツールは使うことができます。
『iPad Pro』とPCを繋いで液晶タブレット化(サブディスプレイ化)させることも可能です。サブディスプレイとして使用する場合はPCに入っている、CLIP STUDIO PAINTやPhotoshopなどのソフトが使うことができます。
この場合、外出時にノートPCと共に持ち運ぶというのもできますが、重くなってしまいます。外ではタブレット、自宅では液タブとして使用したい方にはオススメです。
ドスパラ『raytrektab DG-D08IWP』
引用元:ValuePress!
『raytrektab DG-D08IWP』はドスパラから発売され、クリエイター向けに制作されたタブレットPCです。
OS:Windows10
CPU:インテル Atom x5-Z8350 (クアッドコア/定格1.44GHz/キャッシュ2MB)
グラフィック:インテル HDグラフィックス400
メインメモリ:4GB DDR3L
ストレージ:64GB
サイズ:8インチ液晶(1280×800)
質量:約400g
▽詳しいスペックはこちら
http://www.dospara.co.jp/5shopping/detail_prime.php?tg=8&tc=60&mc=6870&sn=0
一番の特徴は、税込価格で約5万円で購入できること。筆圧感知はWacomの最新技術が搭載されているので、描き味が良く、ペン先と描写のズレを感じませんでした。
また、重さが約400g、8インチサイズとのこともあり持ち運びがしやすいです。
画面そのものが小さいですが、付属品でHDML変換ケーブルがあり、画面サイズの大きなディスプレイで確認しながら描けるよう配慮されてますね。
CPUやGPUは絵を描く上で最低限のものですので、大きなファイル容量を持つ、印刷するレベルのイラストを描くとなるともの足りないです。
ですが、
- デジタルイラスト初心者
- メインPCと分けて考え、ラフスケッチなどのお絵かきをしたい経験者
- 約5万円という低価格帯で液晶ペンタブレットを導入したい
という観点でみれば、十分すぎるほどおすすめできます。
まとめ
紙とペンがなくてもタブレットPCを持ち歩いていればイラストや漫画が描ける便利な時代になりました。ですが高価な商品ですので買う前にきちんと店頭に出向いて描き味を試してから、自分に合った製品を購入することを推奨します。こちらの記事も是非参考にしてくださいね。