企業目線でチェック!クライアントに響くポートフォリオとは? ゲームイラストで生計を立てる方法③ ポートフォリオ編

企業目線でチェック!クライアントに響くポートフォリオとは? ゲームイラストで生計を立てる方法③ ポートフォリオ編

イラストの仕事をするためには、自分の作品を企業に売り込まなければなりません。その方法のひとつは、「自分はこういうことができて、あなたの会社に貢献できます!」という姿勢をポートフォリオ(作品集)で見せることです。なかなか難しそうに感じますが、どのようなポートフォリオだと企業から依頼されるのでしょうか?

 

今回はゲームイラスト業界向けのポートフォリオ制作方法を現役フリーランスイラストレーターの「こぐまのジョーイさん」が教えてくれました。オンライン動画学習サイト『Schoo』✕イラスト制作会社『MUGENUP』協力セミナーの記事、第3弾です!

 

 

教えてくれたのは、こぐまのジョーイさん

プロフィール

セミナー講師はフリーイラストレーターとして活躍されている「こぐまのジョーイ」さん。

 

彼女はイラストの専門学校在学中にMUGENUPのクラウドワーカーとして絵のお仕事を始め、新卒でMUGENUPに入社しました。アートディレクターとして2年間の勤務を経て独立。現在は主にソーシャルゲーム用のイラストを制作し、生計を立てています。

プロフィール画像プロフィール画像2

イラストレーターの需要を考える

クライアントにとって「良い商品」とは?

悩む

あなたにとって「良いイラスト」とはなんでしょうか?

気持ちが伝わる作品、技術の高い作品、キャラクターが可愛い作品……。

人それぞれ価値観は様々ですよね。

 

それでは企業にとって「良いイラスト」とはなんでしょうか。

それは売上が上がりそうな作品です。

「課金率が上がりそう」

「宣伝効果がありそう」

「アクセス数、ダウンロード数が上がりそう」

このような効果が見込めるイラストを描ける人に発注するのが自然です。

 

どのような営業でも受ける側に「メリット」がないと受け入れてもらえないものです。これらの需要がシビアであるゲーム業界で活躍できるイラストレーターになれれば、他のイラストのお仕事も途切れにくい水準に達することができるのではないでしょうか。

 

【会社別】 求める人材の違い

ゲームイラストを制作している企業は、ゲーム開発会社とイラスト制作会社、大きく分けて二種類です。ゲーム開発会社では大量なイラスト素材が必要な場合、制作コストと管理コストを下げるためにイラスト制作会社に制作をお願いすることが多いです。イラストレーターにとっては、どちらもクライアントになるので、それぞれどういうイラストレーターを求めているか考えてみましょう。

ゲーム開発会社の場合

ゲーム開発会社の傾向

ゲーム開発会社は、売上を上げてくれそうな絵が描ける実績のあるイラストレーターを選んで発注します。イラスト1枚でも会社の業績に関わることなので、イラストレーターの選出は慎重になります。クオリティよりも量が必要な場合は、信頼できる制作会社にディレクションまで依頼し、自分たちの工数を減らすことが多いです。

なので、ゲーム開発会社にアピールするには

  • こういう実績があります!
  • 売上に繋がる絵が描けます!
  • ファンが沢山ついているので、宣伝効果があります!

というアピールが響くのではないでしょうか。

 

クラウドソーシング会社の場合

クラウドソーシング会社の傾向

クラウドソーシング型のイラスト制作会社の場合、ゲーム開発会社からまとめて制作委託されているイラスト案件をたくさん抱えています。そのため、指示書に沿ってイラストを描ける人、分業制の小さな案件をコツコツこなせる人が求められています。

 

そういった会社には

  • 時間の融通がききます!
  • 指示書をしっかり読み込み、仕様を守ることができます!
  • この作画工程は誰にも負けません!

とアピールしてみましょう。

小さな案件でも、積み重なれば自分の実績になり、そして新たなスキルに繋がります。イラストのお仕事を始めたばかりの人は、力を付けていくために積極的にアピールしてみましょう。

用途に合わせたポートフォリオを構成!3つのコツとは?

1.提出先にマッチした作品をアピール

ポートフォリオをマッチさせる

企業は毎日たくさんのポートフォリオを確認します。全員分に目を通すだけでも時間がかかるので、全ページを確認しきれていないこともしばしばあるようです。なので、最初の数ページで相手のニーズにヒットするポートフォリオを構成しましょう。

  • 乙女系ゲームを中心に制作している会社

→美男子、スチル系の一枚絵など

  • ファンタジー系の制作会社

→神話モチーフ、豪華な装飾のあるキャライラストなど

2.流行をおさえる

流行を押さえる

ソーシャルゲーム業界は、流行ったものを後追いする傾向があります。企画中のゲームにヒットする保証はないので、その時多くの人に需要があるものを取り入れているのです。

 

数年前から美麗系のカードイラストのトレンドが冷め始め、ブームになったゲームを模した「ユニットイラスト」の需要が増えているのは、ゲームランキングを見てもわかると思います。

 

トレンドを把握している人のほうが、ビジネスパートナーとして信頼がおけます。「これからどんなイラストが流行るか」を見越して、ニーズに対応できるイラストが描けることをアピールできるように、ゲームランキングは頻繁にチェックしましょう。

3.無理なく制作できる作品を中心に

得手不得手

ゲームイラストの場合、1枚に費やせる時間は多くて一ヶ月程度です。イラスト1枚の単価も、制作時間に見合った分しかもらえません。

 

何ヶ月も描けて作った大作を数枚入れたポートフォリオを提出し、お仕事を請けたとします。ヒーヒー言いながら、完成させられたとしても、制作時間が報酬額に見合わなければ、生計は立てられないですよね。

 

なので、自分が無理なく受注できる作品を提出することが大切です。それに加えて、依頼主が欲しいものを少し考えて入れてみましょう。そんなポートフォリオを提出してマッチした会社や案件が、一番の巡り合わせになるはずです。

まとめ

ポートフォリオを構成するのに大切なことは3点。

1.提出先のテイストを意識する

2.トレンドを抑える

3.自分が無理せず制作できるもの

 

絵が上達するための努力と同じように、自分の魅力を伝える努力も大切です。

どうすれば自分がクライアントの需要にマッチできるかを考えて、お仕事に繋がるようなポートフォリオを作ってみましょう。

 

次回はフリーイラストレーターが生計を立てる方法をご紹介!

 

前回の記事はこちら!